農林水産省九州農政局と熊本県は9日、輸入した生鮮アサリの原産地を「熊本県産」と偽装したとして、県内の水産物販売会社2社に対し、食品表示法に基づき適正な表示などを求める行政指導をし、発表した。2社は中国産や韓国産のアサリを一定期間、県内の干潟で蓄養した後、熊本県産と表示して販売していた。
2社は、同じ男性が代表を務める同県宇土市の「リュウセイ」と「コン・ブリオ」。農政局と県によると、リュウセイは2020年6月~21年5月に中間流通業者20社へ計約926トン、コン・ブリオは20年4月~21年3月に同10社へ計約52トンの輸入アサリを「熊本県産」と表示して販売した。
県などの立ち入り検査などに対し、代表の男性は仕入れた外国産の成貝を最長9カ月間蓄養したと説明したが、輸出国や県内での生育期間を示す書類などは残っていなかったという。
食品の産地表示では、国内での生育期間が長ければ国内産と称することができる「長いところルール」があるが、農政局は「成貝になるまでは1年以上かかる」という識者の見解に基づき、熊本での蓄養期間の方が短いと判断した。
男性は、貝の年齢は経験に基づき見た目や模様などから判断しており、「熊本での蓄養期間の方が長く、偽装の認識はなかった」などと話しているという。
農政局と県は、適正な表示で…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル